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断熱材を考える
建物の断熱はエネルギー節約のために非常に重要である。断熱材を選択する時に、その断熱特性の他に、その包含エネルギーと吸湿性を確認する必要がある。断熱材が建物の寿命期間要求されるように機能するためには、建材の組み合わせと適正な用い方を十分考慮する必要がある。建材の熱伝導率(l)の単位はW/mKである。材料の断熱性には吸湿性と貯熱性が影響する。構造体全体の断熱性能は熱貫流率で表し、温度差が1℃の時、面積1m2の面積の構造体を1時間にどれだけの熱量が伝達されるかを表している。K-値が小さければ小さいほど、断熱性のある材料、構造体である。
断熱材の湿気
断熱材が湿気ると断熱性が落ちる、つまり熱伝導性が大きくなる。断熱材が湿気るのは、次の場合が考えられる。
−輸送中−保管中−施工中−施工のミスによって起こる。断熱材が湿気ることを防せがなければならない。
施工の基本
断熱材は構造体内の温度の高い側に取り付ける。冷たい外気が室内側の暖かい面と断熱材の間に入り込むと断熱材は役に立たない。2つの面の間に密に施工した断熱材は最大限にその効果を発揮する。
赤腐れ菌と断熱材
赤腐れ菌は有機物を含む建材や構造に弊害を起こす最も厄介な原因の一つである。VTTの調査によると赤腐れ菌が、木造建築の湿害に際して確認される腐朽菌のうち最も一般的なものである。菌の生成する酸が、加水分解が始まるように菌繁殖床を酸性にする。酸と酵素は、木以外のプラスチック製コーティング材や断熱材とも反応を起こし、腐朽菌の害がより大きくなる。腐朽菌の発生条件としての気温は、約0〜+24〜+40℃、相対湿度は95%以上である。木材の含水率は25〜30%、栄養源としては木製品に含まれる炭素である。実態調査と実験により腐朽菌は、コンクリート、レンガ構造、グラスウール・ロックウールなどのアルカリ性の材料の影響でより強力に成育することが分かっている。赤腐れ菌のアルカリ性材料への影響は、菌の発生する酸によるものである。ベック・アンデルセン氏によると腐朽菌はグラスウール・ロックウールの繊維からカルシウムを奪い、菌糸体に吸収する。カルシウムが無くなるとグラスウール・ロックウールの繊維が切れる。 VTTの木材研究所の基礎試験によると、ロックウールは腐朽菌の成育を増長させるが、ホウ酸処理天然繊維断熱材は、ここでテストされた赤腐れ菌の成育を抑制した。ホウ酸処理天然繊維断熱材は、また、カビの繁殖を弱め、ホウ酸処理天然繊維断熱材中のある物質はテストしたカビの繁殖を完全に抑制した。(VTT木材研究報告、1980年)
Grindan & Kerner-Gang の1982年の研究報告によると、赤腐れ菌はテストした全ての9種類の断熱材に繁殖し分解した。グラスウール・ロックウールにおいて菌はサンプルを貫通して繁殖し、断熱材は手で揉むともろく崩れた。
建物の損傷における断熱材の意味
腐朽菌は木構造部分からグラスウール・ロックウールに広がり、菌にとって良い条件で繁殖する可能性がある。ホウ酸処理天然繊維断熱材では断熱材の含むホウ素の影響で腐朽菌は繁殖しない。腐朽菌はシュウ酸を生成しロックウールを分解する。またロックウールは一部シュウ酸に溶け易く、そのため粉末上に変化してしまう。腐朽菌のうちフィンランドで「床菌」「地下室菌」といわれる菌が一番ロックウールを分解する。ロックウールは菌の生育条件に適当な環境を生むことによって、腐朽菌の繁殖を助長する可能性を持っている。その上、床菌による木の腐れを増長する可能性もある。ロックウールは木材の腐れを増長するのであるから、腐朽損傷部分の修復においてロックウールの使用を避けなければならない。もし修復しなければならない部分に、土や石などの菌の繁殖を助長する成分を得られるような物質がある場合は、断熱材の選択において何を選択するかはあまり意味が無くなってくる。相対湿度が数週間に渡り97%の時に、グラスウール・ロックウール自体の湿気が低くても木材のカビがグラスウール・ロックウールに広がった。カビは腐朽菌のように断熱材を破壊しない。建築物のカビは湿害の結果として悪臭を放ち、健康を害する可能性もある。カビた断熱材を取り除くのが唯一のカビの害を除く方法である。多量の水分が乾燥後の断熱材のつぶれと硬化の原因となる。グラスウール・ロックウールに腐朽菌が繁殖することにより、グラスウール・ロックウールの含水率が増し、その断熱効果を低下させる。腐朽菌の菌糸体は適切な環境条件下で、ホウ酸処理天然繊維断熱材を施工した壁体の木部より、グラスウール・ロックウール断熱材を施した壁体木部に速く広がる。同様に、ホウ酸処理天然繊維断熱材を施工した壁体の木部より、グラスウール・ロックウールを施した壁体木材部の方が速く腐る。腐朽菌は木造部分からグラスウール・ロックウールに広がり、湿気を増加させて駄目にしてその断熱効果やの特性を変化させる。カビは健康を害する原因となる。建物を設計する段階で、グラスウール・ロックウールのカビのリスクを考慮する必要がある。
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