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ウールブレスにも使われている「ホウ酸」を正しく理解してください
ホウ酸の毒性について

ホウ酸は自然系断熱材に防虫、難燃用として使われることが多い薬剤です。

急性毒性について

経口投与のラットLD50(半数致死量)が0.05〜0.5グラムだと「劇物」ランクに指定されますから、それには指定されていはいないということが証明されています。

ホウ酸の経口毒性LD50(体重1kg当たりの半数到死量)は、ラット3〜4グラム、マウス3.5グラム、イヌ1.8グラム、ウサギ4グラム、人間3グラムです。
単純な比較では塩化ナトリウム(食塩)のLD50はラットで3.7gで、同じ程度と言えるでしょう。

平均体重60kgの人間がホウ酸を180g食べれば半分の人が死ぬということです。
食塩をその程度食べても人間は死に至ります。

最少致死量(死に至る可能性がある最低の量)は成人0.64g/kg、乳児0.2g/kgです。
体重を勘案すると、乳児で2〜3グラム、幼児で5〜6グラム、成人で15〜30グラムです。


慢性毒性について

ほう酸を長期に取ると精巣に影響して精子ができなくなることがあります。
人間に対する生殖毒性の危険性評価について米国EPAはリスクアセスメントのなかで、精巣萎縮を予防するために、60kgの成人あたり0.054g/日のホウ素の経口摂取量を越えないこととしています。

ラットの実験による最大無作用量は0.0175g/kg/dayであります。
体重60kgの人間だったら、0.054g/dayです。

しかし、ホウ酸は、植物の健全な成長に不可欠な微量元素であり、通常の動物飼料や食品中に存在しています。工業上の暴露とは無関係に、食品の種類に応じ、通常成人が飲食物より摂取する量は、一日あたり最低0.02gから最大0.235gの間になると予想されています。
この一日あたり食品由来のホウ酸摂取量は、腎臓による排泄容量を充分に下回る値です。

毎日の食品摂取に由来するホウ酸が0.02g〜0.235gと推定されている事から、生殖毒性の危険性評価の低すぎる推奨値は幾分疑問視されています。


以上のような毒性がありますが、しかしホウ酸の蒸気圧は非常に低い(砂糖や食塩より低い)ので、蒸気として出ることはあまり心配がいらないと考えます。そのためにヨーロッパなどでも自然系断熱材の防虫・防腐処理剤として用いられているのでしょう。

 

 

人間のボランティアによる実験
 0.5gのホウ酸を含む水溶液を静脈注射により一回投与した場合、ホウ酸は尿中に排泄され、21時間後には半減し、96時間内には完全に体外に排泄される事が知られています。


出典は角田邦夫(京都大学木質科学研究所)「ホウ素化合物の木材保存剤としての利用」木材保存、Vol.25.2(1999)

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