うーるぶれす
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うーるぶれすニュース 平成15年3月

『外断熱が危ない!』(エクスナレッジ社刊)を読んで筆者の西方氏に少々抗議しました。

その内容を書き留めておきます。

 

『外断熱が危ない!』(エクスナレッジ社刊)を拝読いたしました。年商130億円の中堅プラスチック建材メーカーで働いた経験からも西方先生がご指摘の外断熱で使用されているプラスチック系断熱材の問題点はまったく同感です。したがってその点だけ取り上げても外断熱そのものに危うさを感じます。

 さて、誠に恐縮ですが、ウール断熱材に関して事実と大きく相違する記述があり、敢えてご指摘申し上げます。

 

 

1)羊を買うための牧草地の広さも随分と必要となるでしょう。広大な牧草地を確保するための森林破壊、農薬や化学肥料の使用などによって、エコテストなどの評価が下がっているのかもしれません。

 

 大変な事実誤認です。同じ趣旨のことを何度も聞いていますが、3年前に福岡で会った環境NPOの方は「森林破壊の問題がある、だからウールの衣料品は使用しない、すべて綿または化繊である」と胸を張っていましたが、夏はさすがに暑いのでウールの背広を着用しているとのこと。本当に森林破壊に影響しているのでしょうか。全世界のウール需要量に対してオセアニア(オーストラリア・ニュージーランド)で80%以上のウールを供給。第二次世界大戦後のピーク時は4億5千万頭の羊が放牧されていました。現在は2億1千万頭に激減しています。理由は化繊との価格競争に敗退(たとえば1999年日本のカーペット生産量のうちウールカーペットはわずか2%。ほとんどがアクリル、ナイロンである)次に同じイギリス連邦カナダの木材産業の降盛をみて30年前から比較的雨の降る放牧場を選んで大規模な植林投資が行われました。(たとえば広島の住建産業がニュージーランドで、日本に比べるとはるかに安く広大な放牧場を買占め植林を行った。)それらが伐採時期にきており、オセアニアが今一番買ってほしい輸出品は木材であります。もっとも重要なことは地勢学的に見て沿岸部を除いては国土の大半が少雨乾燥型の気候であり森林の環境として劣悪であります。モンゴルの大草原と同様牧草の生育に適し放牧が重要な産業となっています。100年200年と調和の取れた自然が放牧をやめたことにより荒地と化して、むしろ大きな環境問題となってきています。地平線のかなたまで広がる大草原、その果てまでゴマ粒のように点在する羊や牛、牧草はただ太陽の恵みだけを受け育ち、農薬や化学肥料は一切使用されていない、使う必要がまったくないのです。石油資源の枯渇や京都議定書二酸化炭素削減問題に頭を痛める必要はありません。まさしくウールは次の世代の子供たちに残すべき重要なエコロジーな産業であります。余計なことではありますがオセアニアでは世界でも有数の進んだ環境保護に熱心な国です。たとえば南極のオゾン層を破壊するフロン。代替フロンを放出する発泡系プラスチック断熱材はかつては20%あったシェアは現在5%以下に激減しており、やがては製造中止が予想されます。

 

 

 

2)100m/m断熱材の家一軒に何頭の羊が必要となるのか疑問(P186)

 

1頭の羊で10年以上は毎年毛を刈り取ります。また鮪のように部位によっておいしいトロもあれば赤みもあるように、羊も同じく高級紳士服となる部位、カーペットや毛布となる部位、断熱材となる部位はそれぞれ異なります。かつては断熱材となる部位は過剰在庫となり公園の樹木の肥料に使われたこともありますが、現在では用途開発が進み、ベッドフリースや日本では高級寝具の敷布団の中綿として「冬暖かく夏涼しい」をキャッチフレーズに普及しています。ウール断熱材をマイナーなイメージで捉えられていますが、現状でも1千万u以上の製品を日本に供給することができます。もちろん価格は大幅に引き下げることは可能であります。近い将来洗毛したウールを輸入し、日本で製造することを考えています。(オーストラリアでは洗毛したウールから出る油で高級化粧品や機械のさび止めオイルが製造されているため。)

 

 

3)ポリエステル繊維について

 

ウール断熱材に30%のポリエステル繊維が使用されていますが、殆んどがペットボトルのリサイクルポリエステルです。使用理由は50%以下に圧縮梱包、開梱包後100mm,50mmとそれぞれ所定の厚みに復元させるためです。ウール100%100mmで何度テストするも復元率70%程度であり、国内の輸送費削減のためやむをえない方法です。当社ではポリエステル繊維並みの強度があり、価格も量産すればほぼ同等の新天然繊維を開発済みであり、近い将来に販売予定であります。しかし、現状東南アジア・オセアニアなどで発生するペットボトルの廃棄量は膨大で日本同様大きな環境問題となっています。現状産廃処理量を少なくすることと資源の活用面から、もっとも有効な方法はペットボトルからポリエステル繊維にリサイクルすることと考えます。オーストラリアでは新鋭機械設備を投入し、東南アジアからも大量の廃棄PETボトルを引き取り、ポリエステルを生産し建材関係では、カーペット、壁、天井など幅広く使用されています。

 

最後に断熱材は見えないところに使用されているため、耐久性がもっとも大切なことと考えます。ウール断熱材は50年、100年後にリユースが可能であります。へたることがなく水に濡れても乾きが早く形がくずれません。

今年の奈良正倉院展に1300年前のウールカーペットの2点が展示されました。色はあせるも今でも使用できる状態であったという事実はすばらしいものです。

 

省エネルギー且つ地球環境に優しいウールをマイナーなイメージからメジャーに変える努力をいたしたくご理解のほどよろしくお願い申し上げます。


                                  ITNジャパン        斉藤  勉
                                 株式会社 ムラモト 村本 喜義

 

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